「実習が怖くて、毎朝病院に向かう足が重い」 そんな気持ち、あなただけではありません。
指導者に厳しい言葉をかけられるたびに、自信をなくしていく。患者さんの前に立つと、頭で覚えたはずのことが全部飛んでしまう。帰宅してからもレポートと格闘して、気づけば深夜——そんな毎日が続いていませんか?
実は、看護学生の多くが実習中に「怖い」「もう限界かも」と感じています。怖いと思うのは、それだけ真剣に向き合っている証拠です。サボりたいから怖いのではなく、ちゃんとやりたいから怖いのです。あなたが感じているその不安は、決しておかしなことではありません。
でも、怖いまま実習を乗り越えるのは限界がありますよね。不安の原因がわからないまま毎日をこなすだけでは、心も体もすり減ってしまいます。
この記事でわかること:
- 実習が怖くなる3つの主な理由
- 怖さを乗り越えた先輩たちのリアルな体験談
- 今日から使える具体的な対処法5つ
この記事を読むと:
- 「自分だけが怖いわけじゃない」と気持ちが楽になる
- 不安の正体がわかり、対処できるようになる
- 明日の実習を少し前向きな気持ちで迎えられる
実習の怖さは、乗り越えた先で必ずあなたの強みになります。この記事を読んで、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
【執筆者プロフィール】
看護師経験17年。臨地実習指導者として後輩育成にも携わる、アラフォーシングルマザー看護師が執筆。
看護学生が実習を怖いと感じるのは当たり前のこと
まず、大切なことをお伝えします。実習が怖いと感じているのは、あなただけではありません。
看護学生であれば、ほぼ全員が実習中に「怖い」「つらい」と感じた経験を持っています。むしろ、何も怖くないという人のほうが少数派です。
怖いと感じるのは、患者さんのことを真剣に考えているから。失敗したくないと思っているから。看護師として成長したいと思っているからです。その気持ちは、あなたが看護師に向いている証拠でもあります。
この記事では、実習が怖くなる理由を整理したうえで、先輩たちの体験談と具体的な対処法を紹介します。読み終わったあとに、少しでも気持ちが楽になれば幸いです。
実習が怖くなる3つの主な理由
実習が怖いと感じる背景には、いくつかの共通した理由があります。自分がなぜ怖いのかを知るだけで、気持ちがぐっと楽になることがあります。
指導者や先輩看護師の目が気になるから
実習中は、常に指導者や先輩看護師に見られている緊張感があります。
「何か失敗したら怒られるかもしれない」「変なことを言ったら評価が下がるかもしれない」——そんなプレッシャーが、体を固くさせてしまいます。
これは、評価される環境に慣れていないことが大きな原因です。学校のテストと違い、実習では「行動」や「態度」まで見られます。常に採点されているような感覚になるのは、当然のことです。
また、指導者の中には言葉がきつい方もいます。悪意があるわけではなくても、受け取る側には傷つく言葉に感じることも少なくありません。
患者さんへの対応に自信が持てないから
「患者さんに何かあったらどうしよう」という不安は、多くの看護学生が抱えています。
教科書で知識を学んでいても、実際に患者さんの前に立つと体が固まってしまう——それはごく自然なことです。相手が「生身の人間」であることの重さを感じているからこそ、慎重になるのです。
特に、何を話しかければいいかわからず沈黙が続いたとき、「自分はコミュニケーションが下手なんだ」と落ち込んでしまう学生も多くいます。でも、沈黙が怖いと感じるのは、それだけ患者さんのことを大切に思っているからです。
記録・レポートのプレッシャーが大きいから
実習中の疲労に加えて、帰宅後も深夜までレポートが続く——この体力的・精神的な消耗が、恐怖感や不安をさらに増幅させます。
「何を書けば正解なのかわからない」「明日までに終わらなかったらどうしよう」というプレッシャーは、睡眠不足と重なってどんどん大きくなります。
疲れているときほど、些細なことが怖く感じられます。レポートの負担が、実習そのものへの恐怖心を高めている可能性も十分にあります。

実習の恐怖を乗り越えた先輩たちの体験談
「怖い」という気持ちは、乗り越えられます。実際に怖さを感じながらも実習を乗り切った先輩たちの話を紹介します。
「怒られてばかりだったけど成長できた」Aさんの場合
Aさんは実習中、指導者に毎日のように注意を受けていました。最初は「自分は向いていないのかも」と落ち込む日々が続いたと言います。
実習中に意識したこと
Aさんが変わったきっかけは、怒られた内容をその日のうちにノートに書き出すことでした。「怒られた=学べた」と記録することで、ネガティブな出来事をポジティブな情報に変換できるようになったそうです。
また、指導者の言葉を「否定」ではなく「アドバイス」として受け取るよう意識を切り替えました。そして、どんなに落ち込んでいても笑顔と挨拶だけは徹底することを自分に課しました。
実習後に変わったこと
実習が終わる頃には、怒られることへの耐性と受け流す力が自然とついていました。報告・連絡・相談のスピードも格段に上がり、「動ける自分」に変わっていったと話してくれました。
「患者さんとの関わりが怖かった」Bさんの場合
Bさんは患者さんとのコミュニケーションが苦手で、病室に入るたびに緊張で頭が真っ白になっていたと言います。
不安だったこと
何を話しかければいいかまったくわからず、沈黙が続くたびに「自分のせいで患者さんが不快に思っているかもしれない」という罪悪感を抱えていました。
乗り越えるためにやったこと
Bさんが実践したのは、鉄板フレーズを事前に準備することでした。「今日のご様子はいかがですか?」「昨夜はよく眠れましたか?」など、毎日使えるフレーズをいくつか覚えておくだけで、病室に入る怖さが大きく減ったそうです。
また、「完璧な会話をしなければ」という意識をやめ、「そばにいること」を大切にするようにしました。患者さんの表情が少し和らいだ瞬間や、「ありがとう」と言ってもらえた場面を日記に書き留めることで、自信を少しずつ積み上げていきました。
怖い実習を乗り越える5つの具体的な対処法
先輩たちの体験をもとに、今日から実践できる対処法を5つ紹介します。
- 事前準備で不安の9割は消える
実習の怖さの多くは「わからないこと」への不安から来ています。逆に言えば、事前に準備しておくことで、不安の大部分は解消できます。
前日までに受け持ち患者さんの疾患・内服薬・処置の内容を調べておきましょう。また、実習でよく使う看護技術の手順を声に出して復習しておくと、いざというときに体が動きやすくなります。
さらに、「最悪こうなっても大丈夫」という最低ラインを自分の中で設定しておくと、心がぐっと楽になります。完璧を目指すより、「最低限これだけはできる」という安心感を持つことが大切です。
- 指導者への報告・連絡・相談を徹底する
わからないことをそのままにしていると、後で大きなミスにつながることがあります。「こんなことを聞いたら怒られるかも」と思っても、確認することを恐れないでください。
「確認してもいいですか?」の一言が、指導者との信頼関係を築くきっかけになります。むしろ、何も聞かずに間違えるほうが、指導者にとっては困ることです。
報告するときは、結論から先に伝えることを意識しましょう。「〇〇さんの血圧が高めです。具体的には〇〇/〇〇でした」というように、簡潔に伝えると指導者にも伝わりやすくなります。
- 意図的なコミュニケーションは「目的」を先に決めておく
指導者から「意図的にコミュニケーションをとりなさい」と言われたとき、何をすればいいかわからず固まってしまった経験はありませんか?
意図的なコミュニケーションとは、目的を持って患者さんと関わることです。「ただ話しかける」のではなく、「今日は患者さんの不安な気持ちを確認する」「昨日の処置後の様子を聞く」など、関わる前に小さな目的をひとつ決めておくだけで、会話に自信が持てるようになります。
そして、実習中に最も怖いと感じる場面のひとつが、指導者からの「根拠は?」という質問です。
突然聞かれると頭が真っ白になってしまいますよね。でも、これはあなたの知識が足りないのではありません。「実践しながら言語化する」という訓練に、まだ慣れていないだけです。
対策としては、コミュニケーションをとる前に自分へ一言問いかける習慣をつけることです。
「なぜ今この声かけをするのか?」
「この関わりで患者さんに何を確認したいのか?」
この一言を意識するだけで、「根拠は?」と聞かれたときにも落ち着いて答えられるようになります。最初はうまく言葉にできなくても構いません。答えようとする姿勢そのものが、指導者への誠実な対応になります。
- 完璧を求めず「学びに来た」と割り切る
実習は、テストではありません。できないことがあって当然の場所です。
「完璧にやらなければ」という意識が、必要以上に自分を追い詰めてしまいます。実習の目的は、正解を出すことではなく、経験を通じて学ぶことです。
失敗しても、それは学びのチャンスです。
できなかったことより「今日学べたこと」に目を向ける習慣をつけることで、実習が怖いものから「成長できる場所」に変わっていきます。
- 同期と気持ちを共有して孤独感をなくす
「自分だけがつらい」という感覚が、実習を余計に苦しくさせます。
休憩時間に同期と話してみてください。きっと同じように怖いと思っている仲間がいます。愚痴を言い合うだけでも、気持ちはずいぶん楽になります。
ただし、比べ合いには注意が必要です。「あの子はうまくやっているのに自分は」という比較は、自信をなくすだけです。「お互い頑張ろう」という関係性を大切にしましょう。
- 実習後のセルフケアで心を整える
心と体が限界の状態では、怖さは倍増します。実習後のセルフケアは、翌日の実習を乗り越えるための大切な準備です。
帰宅後すぐにレポートに取りかかるのではなく、10分だけ好きなことをする時間をつくりましょう。好きな音楽を聴く、お気に入りのお菓子を食べる、湯船につかる——自分なりのリセット法を一つ持っておくだけで、気持ちの切り替えがしやすくなります。
もし眠れないほど追い詰められているなら、学校の相談窓口や家族に話してみてください。一人で抱え込まないことが、何より大切です。
実習の怖さを乗り越えた先に、必ず成長がある
怖いと感じながらも踏ん張った経験は、現場に出たときの大きな強みになります。
実習がつらかった人ほど、患者さんの不安や怖さに寄り添える看護師になれます。「あのとき怖かった気持ち」を知っているからこそ、患者さんの手をそっと握れる看護師になれるのです。
今この瞬間、必死に実習に向き合っているあなたの頑張りは、必ず未来の自分に返ってきます。
怖くて当然。でも、乗り越えられます。一歩ずつ、前に進んでいきましょう。




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