子どもが8ヶ月のとき、離婚した。
もらえたものを正直に書く。
慰謝料はゼロ。
養育費は毎月1万円の約束だったけど、振り込まれたのは一回だけだった。
一回。
一回って、もはや振り込み間違いのレベルじゃないですか。
その後はパッタリなくなった。
そして住宅ローンだけが残った。
2000万円。

元夫はいなくなった。
ちなみに元旦那には払える経済力がなかったから、と慰謝料を断念したわけなんですが、
残された2000万円のローンはいったい誰が払うんですかという話でもあるわけで。
まあそういう理屈が通る人だったということですね。
はい。次。
実家に帰った。母と弟がいる家に、8ヶ月の子どもを連れて転がり込んで、保育園付きの職場を業者に頼って探して、気づいたら家族全員の食費と光熱費を全部まかなっていた。
自分のために使えるお金はなかった。
なかったというより、そういう計算を一回もしたことがなかった。
子どもがやりたいって言うことを、我慢させたくなかった。
私自身が母子家庭で育った。
母の財布に50円玉1枚しかないこともざらにあった。
母と、食べ盛りの私と弟と、三人で食べるものに困るくらい貧しかった。
ちなみに私の食べる量、カレーなら1回3皿以上は当たり前で、
10皿目に入ろうとしたとき
「見てる方が気持ち悪いからやめて」と言われたことがある。
それだけ食べても足りなかった時代の話だ。
これが後の摂食障害に続くんだけど、それはまた今度。
だから、息子がサッカーやりたいって言えばやらせた。
スイミングも、そろばんも。
どこからお金を出していたのか、正直よくわからない。
でも全部やらせた。
毎月1万円、学資保険も積み立てた。
近畿から九州に引っ越すとき、その学資保険から借りた。
息子のお金だ。借りた、と言うのは返す気があるから。
今もこつこつ返している。
息子は私立高校に進んだ。
今年から授業料は免除になった。
やった、と思った瞬間に明細が来た。
施設利用費、教育充実費、ICT通信費、部活の費用。
免除って言葉の守備範囲、かなり狭い。
授業料だけが免除で、それ以外はぜんぶ「その他」に入ってくるやつ。
授業以外のすべてに金がかかるのが私立というものらしい。
そうやって18年が過ぎた。
なんとかなった、としか言いようがない。
計画があったわけじゃない。ちゃんと貯めてたわけでもない。
看護師という、たった一つの仕事だけで
この細い細い腕ひとつで
その月その月をただ乗り越えてきたら、
気づけば18年経っていた。
次は大学進学が控えている。
奨学金を借りて行くことになる。怖い。
でもまあ、なんとかなるだろうとも思っている。
一回しか振り込まれなかった養育費の、あの1万円より、ずっとうまくやってきたんだから。
この話には続きがあるけど、それはまた今度。



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